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タマゴの話(1)

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ある朝、食卓にタマゴが無かった。
キリストは毎朝、目玉焼きを楽しみにしていた。
当時はまだヨシュアと呼ばれていた。
「今日は何故タマゴがないのだろう?」とヨシュアは言った。
聖母が、「今日はタマゴがなくて残念!なんでだろう?」と言った。
マリアが、「私知ってる!でも言わない!後で誰かに訊いてみて!」
と言って、その場を去った。
毎朝目玉焼きを楽しみにしていたのは、3人。
ヨシュア(キリスト)と聖母と、フィリポ。
ルカが言った。
「どうしてそんなもの食べるの?もうずっと食べてる。
食べてみてないからわからないけど、おいしいものじゃない気がする。」
ヨシュアは言った。
「毎朝、ニワトリが1個、タマゴを生んでくれるから、朝タマゴを
食べることにしている。焼いて食べるととてもおいしい。」
「そうなんだ。」とルカ。
外には林があって、鶏を預かっている小屋がある。
ある時、突然どこかから鶏が来て、「自分はここに住むから」と言って、
居ついてしまった。
ニワトリの話を聴いたのは、5人。
ルカとヨシュアとフィリポと、マルコと聖母。
5人とも話は聴いたけど、鶏が何なのか、よくわからなかった。
ルカは、初めて鶏が来た時から、何か考えていた。
それから数日たったある朝、鶏は3羽に増えていた。
「何か起きた!みんな、来てみて!鶏が増えている!」とヨシュアが
みんなに声を掛けた。
鶏は3羽居て、1個ずつタマゴを生んでいた。
鶏が、「タマゴは食べれるものだから、食べてみて!」と言って、眠った。
また同じ5人が聴いていた。
どうやって食べるものなのか、タマゴが何なのか、わからなかった。
住んでいる建物の周りには、丘のようなところに草が生えている
のみで、他には何もなかった。
当時は、動物、という生物の知識もなかったし、鶏が話したから、
そのような生き物は、みんな話をするものだと、みんなが思っていた。
ヨシュアが、どうやってタマゴを食べようか考えていた時、啓示があった。
「火を通す。」と。
どこか遠いところからやってきたその啓示は、その後も続くものだった。
「焼いて食べてみよう」とヨシュアが言って、聖母とフィリポが手を挙げて、
食べてみることにした。
フィリポはその頃、挑戦について考えていて、みんなに良く話していた。
聖母は新しいことが好きで、「なんかおもしろそうだから食べてみる!」と
言って食べてみることにした。

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